話し合いがうまくまとまらない
夫婦の話し合いで離婚をする「協議離婚」であれば、お互いに納得できればすぐに離婚ができます。
しかし話し合いがうまくいかないケースもないわけではありません。
ここでは離婚の話し合いがまとまらない原因と対処法を紹介します。
離婚の話し合いがうまくまとまらない原因
離婚の話し合いがうまくまとまらない原因としては、さまざまなものが考えられます。
相手が離婚を拒んでいる
まず考えられるのが、相手が離婚を拒んでいるケースです。
「自分は離婚をしたいけど相手はしたくない」(もしくはその逆)という場合、相手を説得するのは困難といえます。
離婚の条件で折り合いがつかない
夫婦双方が離婚することに同意していても、条件面で折り合えず、離婚に向けた話し合いが進まないケースもあります。
まず考えられるのが、お金の問題です。
財産分与、慰謝料、住宅ローンなど離婚にあたっては、さまざまなお金の問題が発生します。
また、お子さまのいる家庭では、子どもの親権が問題になります。
夫婦双方が子どもの親権が欲しいと思っている場合、夫婦の話し合いで解決するのは難しいかもしれません。
また親権の件が解決できたとしても、面会交流の回数などをめぐってもめる可能性もあります。
感情的になって話し合いが進まない
そもそも夫婦仲が悪すぎる場合などでは、夫婦双方が感情的になってしまい、話し合いをしようにも話し合いにならない、という可能性もあります。
夫婦の話し合いで離婚に向けた手続きが進まない場合の対処法
夫婦の話し合いで離婚に向けた手続きが進まない場合、どうすればよいのでしょうか。
考えられる選択肢を4つ紹介します。
信頼できる第三者に同席してもらう
まず夫婦の話し合いの席に、夫婦共通の友人など信頼できる人に同席してもらう方法が考えられます。
第三者に間に入ってもらうことで、冷静に話し合いを進められる可能性があるからです。
ただし、双方の親など、関わる人によっては、かえって話し合いがこじれるリスクもありますので注意が必要です。
調停を利用する
私的な話し合いで解決が難しい場合は、公的な場である家庭裁判所に行って調停を行うことになります。
調停の特徴は、調停委員が双方の話を交互に聞く形で話し合いが進められることです。
そのため、二人きりの話し合いとは異なり、冷静に話し合いができる、相手と顔を合わせないで済む、といったメリットが期待できます。
その一方で、調停委員との相性の問題があって、素直に自分の言い分を伝えられなかったり、調停がまとまらずに裁判になってしまう可能性もあります。
裁判を起こす
調停でも話し合いがまとまらない場合は、裁判で離婚に向けた手続きを行うことになります。
ただし、裁判で離婚できるのは、法律上の離婚原因があるケースに限定されています。
DVや不倫が原因であれば離婚裁判を起こせますが、性格の不一致が原因で離婚を希望する場合は、長期間別居しているなどの事情がない限り、裁判を起こすことは難しいでしょう。
弁護士を代理人に立てる
話し合いの段階で弁護士を代理人に立て、代わりに相手側と話し合ってもらうという方法もあります。
これを示談交渉といいます。
「弁護士以外の人に交渉を依頼するのはだめなのか?」と思われる方もいるかもしれませんが、弁護士以外の人を代理人に立てて交渉を行うことは非弁行為といって違法になる可能性があります。
1人での交渉が難しいときは、弁護士を代理人に立て、専門的サポートを受けましょう。
弁護士に依頼するメリット
離婚に向けた話し合いを有利な方向でまとめるためには、法的な知識および交渉力が必要となります。
特に相手との話し合いがうまくいかない場合、弁護士に依頼するメリットは大きいといえるでしょう。
具体的なメリットとしては、次のようなものが考えられます。
交渉時に相手と顔を合わせないで済む
DVなどが原因で離婚を希望する場合、相手と顔を合わせたくない、声も聞きたくないというのが本音ではないでしょうか。
弁護士がいれば交渉をすべて任せられるため、ご自身で相手との直接的なやりとりをしなくても交渉を進められます。
法的なアドバイスがもらえる
慰謝料の金額、財産分与の方法、親権の獲得方法など、離婚をめぐっては法的な問題がたくさんでてくるものです。
弁護士に依頼すれば、これらの法的な問題に対して最適なアドバイスを受けられます。
裁判になったときでも対応できる
当事者間の話し合いがまとまらずに調停や裁判になったときは、まさに弁護士の出番です。必要な手続きやサポートをそのまま依頼できます。
離婚の話し合いで困ったら
離婚の話し合いがなかなかスムーズにいかない場合、早い段階で弁護士にアドバイスをもらうことで有効な解決策が見つかる可能性があります。
弁護士は、話し合ったその後の展開を予想することができます。交渉事は、事前準備がとても重要です。
離婚の話し合いを進めるなかで、何か不安なこと、困ったことがありましたらお気軽にご相談いただければと思います。